インドネシアの伝統治療薬Jamuの適用を目的とした植物の分類に関する情報学的研究

福山正人 (0951156)


 Jamuはインドネシアのジャワ島で古くから民間に伝承されてきた伝統的治療薬であり、通常は複数の植物生薬のハーブから構成される。病気の治療に有用であることに加えて、Jamuは健康の維持にも有用で、化粧品にも用いられている。Jamuを作る際、希望した混合物の効果のためにいくつかの植物を選択し、混合する。伝統的に、その植物は経験により選ばれ、世代から世代へと受け継がれ、Jamuの効果は経験的に証明されている。近年では、多くのJamuはインドネシアの多くの企業によって商業的に生産されおり、人々に広く知られている。しかしながら、Jamuなどの伝統薬は近代医学の研究対象として評価が低く、医療の現場では医薬品として利用されていない。本研究では、医療・健康管理の有効利用を提示するため、各Jamuに用いられている植物の薬効・適応症からJamu治療を科学的に検討した。Jamuの薬効に関するデータからPLS(部分最小二乗法)およびPCA(主成分分析)などの統計学的手法を用い、構成植物の薬効を推測した。次に、各植物の関連論文からその薬効・適応症を調べ、先の分析結果と比較した。さらに、Jamuの薬効分類だけでは識別されなかった構成植物の具体的な薬効も整理した。