指先接触面の滑り量制御を用いた重量・摩擦提示デバイス

米澤智 (0951206)


従来のハプティックデバイスでは持ち上げ動作やなぞり動作,押し出し動作などの手による操作の際に仮想力覚を提示する.しかし,任意の仮想力覚を提示するのが難しいという問題点があった.

本研究では,指先接触面における滑り量を表す指標として偏心度を用いる.偏心度の計算にはヘルツ理論と呼ばれる解析的な接触面モデルを用いる.計算した偏心度プロファイルを提示することで被験者に任意の重量と摩擦の感覚を与える.目標偏心度プロファイルは把持力制御モデルと負荷力変化モデルを用いて計算する.また,提案手法を検証するために力センサ,カメラ,モータを内蔵したハプティックデバイスを開発した.偏心度のPID制御によりデバイスを制御することで目標偏心度プロファイルを提示する.提案手法を評価するために異なる重量と摩擦を提示できるかどうか被験者実験を行った.実験結果により提案手法によって任意の重量と摩擦係数を提示できることを確認した.発表では,研究背景と関連研究の問題点を述べ,提案手法とその評価実験について示す.