そこで本研究では,主成分分析(PCA)を用いた姿勢生成手法を提案する.提案手法では,人の手の姿勢に主成分分析を行うことで多指ハンドの姿勢に変換することが可能である.本研究では対象とする動作の特徴をよく表した姿勢をキーポーズと呼び,キーポーズ群を主成分分析することによってその主成分を姿勢の変換に利用する.加えて,主成分得点の距離に基づくキーポーズの選定手法についても述べる.選定されたキーポーズと主成分から生成された姿勢は,登録したキーポーズを全て使って生成された姿勢よりも良好な結果が得られた.3指,5指,8指を有する多指ハンドについて,シミュレータ上で提案手法を適用した姿勢生成実験を行った.その結果,提案手法を用いることで多指ハンドの構造に関わらず,入力として与えられた手の姿勢を模した姿勢が生成可能であることが分かった.