多解像度顔画像のためのRandomized Decision Treesを用いた顔認識手法の評価

岩崎 剛士 (0951201)


顔認識技術はセキュリティ分野やヒューマンインターフェースなどに広く応用 可能であるが,防犯カメラなどで顔認識を行う場合,必ずしも高解像度で鮮明な 画像が多く得られるわけではなく,解像度が低い,コントラストが十分でないな ど低品質な画像が入力に含まれている.そのため,このような低品質画像を効果 的に利用した学習・識別手法を実現出来れば,広く一般に有用な顔認識システム の実現につながると期待される.

そこで本稿では高解像度と低解像度画像の両方を効果的に学習・識別に利用し た顔認識アルゴリズムの実現を最終目標とし,そのための基礎検討の結果を示す. そのために,Randomized Decision Treesを用いた顔認識アルゴリズムを設計し, 一般に公開されているテストデータにより評価実験を行う.

Randomized Decision Treesは顔認識を含む,多クラス識別を実現するために 用いられる機械学習アルゴリズムの1種である.Randomized Decision Treesを 構成する識別器は木構造を基にしているため,根に近いノードでは高解像度画像 と低解像度画像に共通する特徴量を評価し,葉に近いノードでは高解像度画像で 有効な特徴量を評価するようにすれば,高解像度画像と低解像度画像の両方を考 慮した学習が実現でき,限られた学習データからでも高い精度で識別が可能にな ると期待される.