オンサイトブースティングによる環境適応:人検出への応用
山下 丈之 (0951131)
本発表では,実運用しながら環境適応を行うことにより,画像中の局所特徴量と統計的学習を組み合わせた手法で構築される識別器の人検出精度を向上させる手法を提案する.
近年,交通安全や防犯,マーケティング分析のために導入されている大量の監視カメラから得られる画像を用いて,人を自動監視する技術の発展が期待されている.
実運用に求められる高い精度を満たすために,局所特徴量と統計的学習を組み合わせた人検出の手法は盛んに提案された.
しかし,この手法では,人検出を行う識別器を構築する学習データの環境と検出を行う実運用環境が異なるときに,検出の精度が低下する.
本研究では,あらかじめ学習しておいた識別器を実運用環境に適応させることにより,任意の環境において高精度な識別機を構築するための手法を検討する.
具体的には,ある環境で撮影された学習データを用いて構築した識別器を実運用環境において実行して得られた誤検出や未検出の検出結果を用いて,元の識別器を実運用環境に適応させるオンサイトブースティングを行う.
本手法の有効性は,実運用環境において,オンサイトブースティングを行った識別器とオンサイトブースティングを行わない元の識別器との精度比較により実証する.