そこで本研究では,様々な非言語情報の内,言語情報に代替されない身振りを身体表現と定義し,ロボットの身体表現をユーザ趣向に適応させるアプローチを提案する. 提案法では,身体表現の個人適応問題を,言語情報の意味的分類によって定義された離散状態にユーザが好むロボットの身体表現を割り当てる“振り付け課題”と捉える. さらに多数ユーザの振り付けデータから少ないパラメータによって様々なユーザ趣向を表現するユーザ趣向モデルを構築する. これにより,趣向が未知のユーザについてもわずかなインタラクションを通して適切なパラメータが推定され,身体表現の個人適応が達成される. 提案法ではタスクと独立して身体表現の個人適応が可能であるため,高い汎用性を有することが特徴である. 提案法をパーソナルロボットに実装し,複数タスクを用いた被験者実験を行った. その結果,提案法により,ロボットがユーザに与える印象が向上することを実証した.