逆動力学モデル群の部分空間表現学習に基づく実時間適応制御

堀口 康人(0951110)


人々が暮らす日常生活環境内で活躍するロボットには,正確性・高速性・コンプライアンス性の観点から,力学的特性に基づく逆動力学モデルを用いた逆動力学制御が有効である. しかし,様々なタスクを遂行するためには,物体の把持や装着などの機会が多く存在し,その都度ロボットの逆動力学モデルが変化する問題がある. 本研究では,ロボットの様々な状況に応じて,実時間で逆動力学モデルを推定する適応制御法を提案する. 提案法では,事前に収集された様々な状況下におけるロボットの運動データより,逆動力学モデルの変化を捉えるパラメトリック逆動力学モデルを学習する. パラメトリック逆動力学モデルは,基底関数と重み係数で構成される.未知の状況下における逆動力学モデルの適応問題は,重み係数の推定問題に置き換えられるため, 実時間での適応制御が可能となる. 本発表では,提案法を冗長マニピュレータに適用し,実環境内で想定される応用例から軌道追従問題を通じてその有効性を実証したので報告する.