OSS開発におけるコミッター選出のための開発者の特徴分析
藤田 将司 (0951107)
オープンソースソフトウェア(OSS)には,日々膨大な数の不具合が報告されており,
修正にかかる時間が長期化している問題がある.
不具合修正の長期化を解消する方法として,
コミッター(プロダクトへの変更を直接加えることのできる開発者)の増員が挙げられる.
コミッター1 人あたりのプロダクトへの修正の手間を削減することによって,
短期間でより多くの不具合への対応を行うことができると考えられる.
しかし,選出を行う基準は明確に示されておらず,
プロジェクトにとって信頼のおける非コミッターをコミッターとして選出することは容易ではない.
そこで,本論文では,プロジェクト管理者がコミッターを選出する際の指標に成り得る特徴を明らかにするため,
コミッターに選出されるべき非コミッターの特徴を分析する.
分析対象として,不具合管理システム内の不具合票を用いて,開発者の活動をコミッターと非コミッターで比較する.
分析の結果,コミッター選出の指標の候補として,
パッチ投稿数,レビュー数,コメント数,参加期間の4つが挙げられることがわかった.
また,プロジェクトによってコミッター選出に有効な指標が異なるものの,
多くのプロジェクトにおいてコメント数と参加期間が有効であることがわかった.