L0ノルム最小化を利用した動的な混雑環境下に適用可能なオンラインSLAM

日永田佑介 (0951100)


未知環境下で動作する移動ロボットにおいて,Simultaneous localization and mapping (SLAM)は必要不可欠である.本発表では動的混雑環境下に適用可能なL0ノルム最小化に基づくオンラインSLAMシステムを提案する.既存の研究で利用されているL2ノルム最小化を利用したSLAMシステムは,静的環境下での正規分布に基づいたノイズのみを仮定している.しかし,この仮定は動的環境下では成り立たない.

提案手法では,Locality Sensitive Hashing (LSH) と重点的サンプリングを採用し,標準の実装では大きな計算量を要求するL0ノルム最小化の高速化を実現した. 提案したL0ノルム算出に特化したLSHは,どれほど最悪なケースでも確実に計算量を削減することができる.また,主観確率を用いた手法より簡便な,maximum-a-posteriori (MAP) 推定を用いることによって地図生成を行った.そして,提案手法を移動ロボットに実装し,動的混雑環境下で実験を行った.既存のL2ノルム最小化手法や,それの改良手法であるM-estimatorを用いた手法と比較を行い,提案手法の有用性を示した.