光源方向の違いによるシェーディングを考慮したポアソン画像合成
林 浩一(0951097)
デジタル画像の利用方法として,風景画像を背景画像として用意し,そこに別の画像より切り出した動植物,建物,人間などの様々なオブジェクトを合成することで,新たな画像を作る利用法がある.
このような画像合成の従来研究として,アルファブレンディングや,ポアソン画像合成を用いて継ぎ目のない(シームレスな)画像合成を行うアプリケーションが提案されている.
しかし,従来の画像合成では,入力画像である背景画像とオブジェクトを含む画像(ソース画像)の光源方向が違う場合,物体により陰影(シェーディング)が異なる画像が合成されるか,手作業によるシェーディングの修正を必要とする.
そこで本発表ではポアソン画像合成に用いる式を拡張することで,ソース画像中のオブジェクトのシェーディングをユーザが設定した光源環境に合わせて修正し,そのオブジェクトを合成する手法を提案する.
本手法では,ユーザはソース画像,背景画像,そして各画像の光源方向を入力する.
入力されたソース画像をオブジェクト領域とそれ以外の領域にグラブカットにより領域分割する.
それらの情報を元に,ポアソン画像合成を行う際に,拡張された式によりオブジェクト領域に対して新たなシェーディングを与え,画像合成を行う.これにより,合成されたオブジェクトと背景画像のシェーディングが統一された画像合成を可能とする.
実験では従来のポアソン画像合成と比較して,シェーディングを考慮した本手法の有効性を確認する.