視点移動可能なビデオテクスチャ

馬場口 豊 (0951095)


運動物体を一定時間撮影したビデオ映像を適切なタイミングで繰り返し再生することで,違和感なく任意時間の動画像を合成する手法はビデオテクスチャと呼ばれ,仮想空間表現における従来の静止画によるテクスチャに代わる画像提示手法として多くの分野への応用が期待されている。ビデオテクスチャの生成手法として,従来,撮影した動画像中の物体の運動の連続性を考慮した視線方向が変更可能なビデオテクスチャを生成する手法が提案されているが,視点移動は考慮されていなかった.本研究では,離散的な位置で異なる時間に撮影した複数の動画像を入力とし,周期運動物体を対象とした映像の繰り返し再生を実現しつつ,映像の時間的・空間的な連続性を考慮した視点移動を行うことが可能なビデオテクスチャ生成手法を提案する.提案手法では,まず,各地点で撮影した動画像に対して,それぞれ時間軸方向に画素値の中央値を求め背景画像を生成し,背景差分により各フレームにおける動物体領域画像を算出する.次に,各動画像中で時間的な連続性を考慮した類似フレーム探索を行い,各地点における映像の繰り返し再生を行う.隣接する視点位置で取得した動画像に対しても,時間的連続性を考慮した類似フレーム探索を行い,類似フレーム間で映像を接続することにより,視点移動時の時間的連続性を保持した映像合成を実現する.ただし,撮影位置の異なる画像間での類似フレーム探索には,対象の見え方の変化を考慮する必要がある.これに対して本研究では,周期運動物体を平面と仮定し,各視点で撮影された画像を射影変換することで対応する.また,隣接する視点において接続された類似フレームの前後のフレームを用いて中間視点画像を生成することで,視点移動時の空間的な連続性を再現する.実験では,実環境における周期運動物体を対象とした動画像を入力として用い,提案手法によって視点移動可能なビデオテクスチャを実際に生成可能であることを示す.