協調作曲における楽譜同期インタフェースが楽曲品質に与える効果

高井 雄治 (0951073)


Desktop Music (DTM) ソフトウェアを利用した協調作曲は,ユーザが不足している楽器知識を埋め合わせることで,個人では作曲できない楽曲を生み出せる可能性がある. 作曲データをリアルタイムに視覚化することで協調作曲支援を目指す楽譜同期インタフェースが提案されているが,これまで,その有用性は十分に評価されてこなかった.

本研究の目的は,DTM初中級ユーザを対象とした協調作曲における楽譜同期インタフェースの効用を評価することである. リアルタイム協調作曲支援システムMarbleを利用した比較実験の結果,非同期の協調作曲に比べ,楽譜同期インタフェースを用いた協調作曲は,楽曲の完成度を表すEMD値(0に近づくほど完成度が高い)を低くできるが分かった. また,楽譜同期インタフェースを利用した協調作曲では,発話数,特に協調作曲相手へ作曲アイデアの提案を行うための発話数が約2倍になることが分かった.