本研究では,そのような形態のレビューにおける記録活動を支援することを目的と して,予備実験を実施し,記録に関する問題を調査した.その後,問題解 決に向けたプロトタイプを用いた指摘記録支援方法を実験的に評価した. 予備実験では,同時指摘の問題(あるレビューアAが欠陥を指摘し,レコー ダが記録している最中に,他のレビューアBが別の欠陥を指摘したいと思 ったとき,BはAの説明を理解しようとしているうちに,B自身の指摘内容 を忘れてしまうことがある) と,レビュー後の修正において,指摘箇所の 記録が不十分なため思い出しにくい記録があることを確認した.これらの 問題に対する指摘記録支援方法を12 名(4 グループ) の実務経験者により 実験を実施して評価した.実験の結果,同時指摘の問題に対してレビュー アBが手元で自身の指摘を記録できる支援方法,指摘記録に画像を含める 支援方法が有効であることがわかった.