位置情報と人物検出の共有に基づく異種ロボット間相互位置推定

桑原 潤一郎 (0951045)


近年,ロボットの多様化が進み,様々なセンサを搭載したロボットが開発されて いる.それに伴い,複数ロボットによる協調作業に関する研究が行われており, サービスロボットが実用化されつつある.サービスロボットは人間や他のロ ボットが存在する環境で作業を行うことが想定されるが,周囲の人間やロボット がノイズとなり,自己位置推定の精度が落ちることが懸念される.

そこで,本研究では自己位置推定の精度を向上すべく,異種ロボット間 での相互位置推定を提案した. 相互位置推定に関する従来研究は,その多くが各ロボットにマー カーなどを装着して互いの位置を認識し,幾何学的な拘束条件を解くことによっ て相互位置推定を行っている.しかし,実際の環境には様々な外見のロボットが 存在しているため,マーカーなしでの相互位置の認識が困難で ある.そこで,従来までノイズとして扱われてきた周囲の人間に 注目した.そして,共有した位置情報と各ロボットの人物検出結果に基づき, Particle Swarm Optimizationを用いて各ロボットの姿勢を最適化することで相 互位置推定を行うシステムを提案し,評価実験によりその実用性を確認した. 発表では,本研究を行うにあたっての問題と,それに対する提案手法の詳細を述べ,評価実験の結果について述べる.