三次元点群への局所平面当てはめによる法線情報付きランドマークデータベースを用いたカメラ位置・姿勢推定
川戸 一希 (0951033)
ビデオシースルー型拡張現実感とは現実環境を撮影した画像に対して,CGなどの仮想物体を重畳することで情報を付加する技術である.
拡張現実感において,現実環境と仮想物体との幾何学的な位置合わせにはカメラの位置・姿勢を推定することが必要であり,
従来から様々なカメラ位置・姿勢推定法が提案されている.
中でもランドマークデータベースを用いた手法はStructure from Motion(SfM)法を用いて
半自動でデータベースを構築できるため,低い人的コストで広域環境に適用できるという特徴を持つ.
ただし,従来手法ではランドマークと自然特徴点の対応付け処理において,カメラの姿勢の変化のみを考慮した画像の補正を行っているため,
ランドマーク取得時のカメラ位置から離れた地点において,
見え方が大きく変化するランドマークを正しく対応付けることができず,推定処理が失敗するという問題があった.
この問題に対して,提案手法ではSfM法により得られた自然特徴点群に局所平面を当てはめることで,
新たにその法線方向を算出する.
この法線情報を用いて,平面上に存在すると判定されたランドマークの見え方を入力画像の撮影位置・姿勢に応じて幾何学的に補正し,
対応付けの精度を向上させることで,視点位置の変化に対するカメラ位置・姿勢推定の頑健性を向上させる.
実験では提案手法の有効性を確認するために,ランドマーク取得時のカメラ位置から離れた地点において,
従来手法とカメラ位置・姿勢の推定精度を比較し,視点位置の変化に対する頑健性を検証する.