拡散テンソル画像の位置合わせがWhole brain tractographyに与える影響に関する研究
襟立 真奈 (0951017)
MR拡散強調イメージングは,生体内の水分子の拡散を計測・画像化可能な技術であり,複数方向のMR拡散強調イメージングを行う手法を 拡散テンソルイメージング(DTI)という.DTIを利用したTractographyは,各ボクセルのテンソルの主軸方向を3次元的に追跡し脳内の白質路 を描出することで,今までin vivoでの観察が困難であった白質路の異方性の定量的評価を可能にした.
Tractography を臨床応用するにあたり脳白質アトラス作成の重要性が示されており,アトラス作成には異なる被験者間の拡散テンソル画像 の位置合わせが必要不可欠となる.しかし,位置合わせの結果は用いる入力画像の輝度分布によって変わるという問題点がある. 本研究では,Whole brain tractography を対象として,入力画像の種類ごとにB-Spline法による位置合わせから得た変形パラメータがtracto graphy に及ぼす影響について検討し,形状と白質路の一致度から脳白質アトラスの作成において重要である被験者間の解剖学的一致を評価 した.
その結果,画像の種類ごとの位置合わせから得られた変形パラメータを組み合わせることで,Templateの形状と白質路の解剖学的構造 の両方をより精度良く位置合わせできる可能性が示された.