交差点通過行動の解析と安全運転教育への応用
梅原 茂樹 (0951015)
近年は,交通事故発生件数や死者数,負傷者数はいずれも減少傾向にある.しかし,交通事故の発生件数は年間60万件以上であり,依然として高い水準にある.その中でも出会い頭事故は高い割合を占めており,出会い頭事故を予防するためにはドライバの運転行動自体を改善させることが重要である.先行研究では,ドライバの運転行動を定量的に評価する指標として安全確保速度(Highest Admitted Speed:HAS)が提案され,その有効性が示されてきた.しかし,HASには左右確認の一瞬のタイミングで評価が変動するという不安定性を持っている.
本発表では,HASの不安定性を補う新たな評価指標として速度とペダル操作のみを評価する確認余裕時間を提案し,交差点通過行動の解析を通してその有効性を示す.さらに,特に安全意識の改善を目標としたノウホワイ教育を提案し,HAS1と確認余裕時間の2つの指標から教育効果を検証する.