提案インタフェースは大きく分けて二つの要素で構成される.一つ目は,事前に用意された様々な運動データセットから,各運動データの位相構造や運動間の関係性を考慮した次元削減法を適用し,各運動データを2次元平面上に射影することでグラフィカルなインタフェースを自動的に構成する.これにより,ユーザは平面上の運動データをなぞる直感的な操作で,多様な全身運動の合成が可能となる.二つ目は,構成されたインタフェースを用いてユーザが運動合成を行う際に,運動データを利用した補間処理が適用されることにより,精密なデータの指定を行うことなく,滑らかで自然な全身運動合成が実現される.
提案法の有効性を検証するため,小型ヒューマノイドとタブレット型入力機器によってシステムを構成した.タブレット型機器を使用してモニタ上に表示される図形をなぞる単純な作業で,ヒューマノイドのための自然で滑らかな全身運動合成が可能である.さらに,被験者を使った評価実験を行い,提案法の有効性について確認した.