力覚の拡張現実感提示システムの周波数応答特性による評価

五十嵐勇太 (0951004)


近年,仮想物体の力覚を提示する力覚提示システムが開発されている. 粘弾性物体の複雑な反力を提示するには,高次のモデルや有限要素モデルが必要である. しかし,これらの複雑なモデルは高い計算コストや高性能なデバイスを必要とする.

これらの課題に対し,目標物体と似た補助物体にハプティックデバイスによって力覚を重畳して 目標物体の力覚を提示する,力覚の拡張現実感提示手法(ハプティックAR)が提案されている. ハプティックARは,簡単なモデルと安価なハプティックデバイスを用いて,複雑な力覚を提示できるという特長を持つ. ハプティックAR手法で提示される力覚は,補助物体の影響を強く受けるため,どのように補助物体を選ぶかは非常に重要な問題である.

そこで,本研究では,ハプティックAR手法における補助物体の選定方法を提案する. ハプティックAR提示を行った時の周波数応答特性によって,補助物体の評価を行う. 選定された物体を用いたハプティックAR提示が,他の力覚提示手法よりも良い結果を得ている事を実験により示す.