パルスレーザー・アシスト光ピンセット法の開発
前田 紗希 (0851106)
光ピンセットは,光の放射圧を利用して微小物体を非接触かつ非破壊で捕獲,操作する技術で,近年生物分野の研究において,1分子計測や細胞触診などに応用されてきている.
それに伴いin vivoの環境にある細胞内での光ピンセット操作を求める声も多くなり,細胞内光ピンセット操作は実現しなければならない課題である.
しかし細胞内における光ピンセット操作(in vivo光ピンセット操作)では,細胞内の様々な構造が立体的な障害となるため非常に困難な状態である.
本発表では,in vivo光ピンセット操作を実現するための第1歩として開発した「パルスレーザー・アシスト光ピンセット法」について発表する.
まず,in vivo光ピンセット操作が実現されていない理由である光ピンセットのトラップ力について簡単に説明し,
従来の光ピンセットで使用されているレーザーと本手法で用いるレーザーの特徴の違いについて述べる.
それを踏まえた上で,本手法を用いることによりどのようにトラップ力の問題を解決しているかについて,その原理や装置の構成について説明する.
次に,本手法が有用であるということを確認するための実験についての結果を述べ,実験から発覚した2つの問題点について,原因と解決策を示す.
その後,解決策に基づいて手法に改善を加えたことにより問題が解決したかどうかを述べ,改善されなかった問題に関しては更に原因を追及するなど,問題の解決策についての考察を述べる.
最後に,本研究のまとめと今後の予定を述べる.