Tiam1, Tiam2 PHCCExドメインによるCD44, JIP2, Par3, Ephrinの認識
Zhai Yan (0851152)
Tiam1(T-lymphoma invasion and metastasis 1)は白血球の浸潤に関わる遺伝子として同定
された低分子量Gタンパク質Racのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)である。
Tiam1分子内のPHCCExドメインと、細胞膜や細胞接着分子、足場タンパク質などと
の相互作用は、Racの活性化に必須である。しかしながら、Tiam1のPHCCExドメインが細胞膜や細胞接着分子
などを認識する機構は未だ解明されていない。そのために,Tiam1および相同タンパク質Tiam2のPHCCExドメインと、
細胞接着分子CD44、Ephrin、足場タンパク質Par3、JIP2ぺプチドとの複合体結晶構造解析を行い、
PHCCExドメインによる各分子の認識機構を明らかにすることを目的として、本研究を開始した。
各タンパク質とぺプチドはGST融合タンパク質として大腸菌による発現して、及び精製法の構築を行った。
その後、Tiam1/2のPHCCExドメインとCD44、Ephrin、Par3、JIP2ぺプチドの結晶化を試み、
得られたTiam1のPHCCExドメインとCD44およびJIP2との結晶に関してX線回折データの収集を行って
構造解析に適するデータ収集を行った。これらのデータを基に構造解析を行った結果、現在まで、
CD44およびJIP2ペプチドの電子密度は確認できていない。今後、結晶化条件の最適化と構造解析を進めていく予定である。