ソースコードの改版履歴情報を利用したコードクローンの有害性に関する分析
西田皓司(0851080)
本論文では，ソースコード中に存在する重複コード列であるコードクローンのソ
フトウェアにおける有害性について明らかにすることを目的として，コードクロー
ンが開発の過程でどう変化してきたのかを示すコードクローンの履歴情報に着目
し，コードクローンに関する分析を行った．分析では，ソフトウェアのあるバー
ジョンにおいて，互いにコードクローンの関係にあるコード片全てに一貫した変更
を行わなかった場合に生じると考えられる，「コードクローンの分岐」と「バグの発
生」との関係性についての仮説を設けたうえで，仮説の実証を試みた．
分析の結果，分岐を含まない場合と比べて，分岐を含む場合の方がバグが発生す
る傾向にあり，その数も多いということが分かった．この結果から，コードクロー
ンの分岐は，その後のバグの発生に影響しており，そのようなコードクローンに対
しては注意が必要であるという結論を導いた．
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