デスクワークにおける作業時間計測によるアウェアネス向上の効果

下村洋介 (0851056)


デスクワークにおける生産性を向上させるためには,作業の実態を把握し,作業の無駄や改善点に気づくこと(アウェアネスの向上)が重要と考えられる.本論文では,デスクワークのうち情報科学分野の研究活動を対象として,パソコンを用いた研究活動を自動計測することでアウェアネスの向上に役立つことを実験的に確かめることを目的とする実験の実施にあたって,まず,研究活動を11のタスクに分類し,各タスクとパソコン上のアプリケーションとのひも付けをおこなうことで,タスク単位での作業時間の自動計測を可能とした.実験では,3人の被験者が3〜7週間にわたって実施した研究活動を計測した.そして,被験者が推定した1日あたりの各タスクの作業時間と,計測された作業時間とを比較した.また,インタビューにより,推定結果と計測結果に対するコメントを収集した.実験の結果,推定した作業時間と計測された作業時間との間には各被験者でそれぞれ平均28, 62, 86%の誤差が見られ,作業の実態のアウェアネスを向上するために計測が必要であることが確認できた.また,インタビューの結果から,計測結果を参照することで作業の改善点を発見できることが分かった.