自然特徴点を用いた3次元注視点推定手法と拡張現実感を用いた注視点軌跡の可視化

小橋 優司 (0851044)


視線計測装置のポータブル化により広範囲を動作する人の視線計測が注目されている.従来の視線計測では,注視点情報はカメラ画像やディスプレイ上の 2 次元情報として算出されてきたが,頭部運動が生じる場合は,2 次元平面上に投影して注視点を記録することは困難である.一般的に頭部装着型の視線計測装置では, 頭部運動の考慮するため環境中に設置されたカメラを用いて頭部位置,姿勢の推定を行うが,これでは計測範囲が限定される問題がある.また,注視情報の解析には一般に,注視点軌跡が多く用いられるため,環境情報との対応も考慮する必要がある.そこで,本研究では頭部装着型の視線計測装置において,環境情報に対応した 3 次元注視点の推定手法を提案する.具体的には,環境の自然特徴点を利用して Visual SLAM を行い頭部の位置,姿勢を推定をおこなう.また,自然特徴点と視線情報から 3 次元注視点を推定し,注視点軌跡を AR によって描画する.本研究では,3 次元注視点推定手法と複数人の観察者の注視点を比較する可視化手法の実現性を確認した.