UbiREMOTEではこれを緩和するために, 自宅で近くの家電を赤外線リモコンを用いて操作する手順に似せたインタフェースを使用する. UbiREMOTEでの遠隔操作は,(1) 視点を仮想空間の制御したい情報家電の近く まで移動させ,(2)家電を表すグラフィックオブジェクトを選択し,(3) 表示される個々の 操作ウィンドウを操作する,といった手順で行う. しかし,対象空間を再現するための3D表示機構は,普段持ち運べるような 軽量携帯端末上では処理が重い.また,仮想空間内へ実空間の情報をリアルタイムに 反映するのは一般に困難である. 本研究では,処理速度の遅い携帯端末上においてもUbiREMOTEの快適な 動作を実現する3Dグラフィックス表示機構,仮想空間へ対象空間の情報を自動反映する 機構を提供する.
UbiREMOTE本フレームワークの実用性を確かめるため,プロトタイプを用いて評価実験を行った. 本フレームワークに基づいたリモコンのプロトタイプをタブレットPCへ実装し, 提案する3Dグラフィックス表示機構におけるフレームレートの測定および ユーザビリティについてのアンケート評価を行った. その結果,3Dグラフィックスの表示速度は提案する軽量3D描画機構を使わない場合と 比べて約90倍向上し,ユーザビリティについてはテキストベースのものと比べ, 家電の見つけやすさ,設置場所の認識のしやすさ,操作性,動作状況の確認のしやすさ においてより優れていることを確認した.