二光子顕微鏡における観察可能深度の向上

木村 知永 (0851031)


二光子顕微鏡は,生体組織試料を非侵襲かつ低光毒性条件で長時間観察できることから,生体機能解析の研究において重要なツールとなっている.
生きた細胞の活動をリアルタイムに可視化できるため,近年,特に脳神経科学において不可欠な研究ツールとなっている.
そのため,マウス脳の深部までを高感度イメージングできる技術を確立することは,二光子顕微鏡の開発において重要な課題の一つである.

そこで,本研究では高感度イメージング可能な二光子顕微鏡を開発した.

本発表では,“生体組織のより深部をより高感度に観察可能な二光子顕微鏡の実現”を目的に高感度化に着目した二光子顕微鏡の開発について述べる.
二光子顕微鏡の深度,感度向上を目指すにあたって二光子励起効率,蛍光検出効率の向上は非常に重要となる.
そこで,我々は二光子励起の高効率化として励起効率を低下させずにパルス光のエネルギーを減弱できるパルス列変調法を考案,開発した.
さらに二光子励起効率を向上化させるため,群速度分散補償光学系を設置したので,その詳細について説明を行う.
また,蛍光検出の高効率化としてフォトンカウンタ検出系を提案,開発し,その考察を発表する.

最後に,本研究のまとめを述べる.