オフィスログからの特徴抽出と知的生産性連関

喜多いずみ (0851028)


近年,情報通信技術と計算機性能向上を背景として,オフィスなどで, 複数の構成員の集団活動をオフィスログとして継続的に記録出来るようになり, データマイニング手法を適用することによって,集団活動の実態を把握しようという研究が始まっている. 本研究では,2つのテーマに基づいて,集団活動の特徴抽出を行った. 一つ目は,長期に渡って記録された膨大なデータからの特徴抽出である. 常時記録されているデータログを,そのまま解析しようとすると,膨大な次元になり解析が困難である. そこで,次元削減の方法である主成分分析を用いて,組織の人間関係の抽出を 行った.その結果,自明でない組織内のサブグループの存在を発見することができ, 長期記録された動線データの有用性の一端を示すことができた. 二つ目は,知的生産性の向上を目指した特徴抽出である. 知的生産性の従来研究では,アンケートによる評価が主体であるが, 時間情報が含まれていないため,データから要因を推定する事は困難である. 本研究では,知的生産性の指標として, 閃きデータという時間情報を含む主観評価データを取得し, 逆相関法によって閃きに相関のある特徴量の抽出を行った.