題目 ダーツを題材とした適応的運動学習支援システムの開発

名前 大林 千尋(0851018)


近年,効果的な学習支援を行うシステム開発を目的として,ロボットを応用した歩行学習支援システムなど様々な運動学習支援システムが提案されている.こ れらの運動学習支援システムでは,学習者の上肢や下肢を拘束し駆動させ,運動軌跡を強制することで運動学習に一定の成果を得ているが,身体的な特徴や学習 時間に依存した熟達度の変化に適応するシステムではないため,駆動力や拘束の強さなどの支援量を学習者毎に調整を必要とする.

本研究では,強化学習を用いてオンラインで運動学習者の学習段階に応じて支援量を調整する運動学習支援学習システムを提案する.提案システムの検証のためにダーツ投擲 動作を学習するものとして実験環境を整備し,熟達者と非熟達者の動作比較し, 運動のパフォーマンスと相関のある特徴量を検討した.熟達者のスローイング動作において 体幹と上肢のブレが小さいことがわかった.そこで学習者の利き腕の上腕を6自由度マニピュレータによる拘束を行うこととし,特徴量を用いて強化学習を 設計し実装を行った.実証実験は,3条件 1)補助がなし,2)補助があり(ロボットの制御なし),3)補助あり(ロボットの制御あり)を設定し,非熟達者に適用し て,本システムの有効性を示した.