行動・生理指標による覚醒・睡眠状態の推定

大貫良幸 (0851017)


ヒトの睡眠段階を判定する場合,一般的には睡眠時の脳波の特徴を元に分類する.しかし,EEG-fMRI同時計測のように,脳波にアーチファクトが混入する場合,睡眠段階を脳波から検出することは難しい.本研究では,脳波とは異なる行動指標と生理指標を基にし,睡眠状態を検出するシステムを開発した.行動指標としては,被験者に音検出課題を行わせ,音を検出しなくなった時刻を睡眠と判定する方法を用いた.生理指標としては,覚醒から睡眠段階2にかけて瞼運動が低下するという知見があるので,圧電センサとビデオカメラを用いて瞼運動を計測し睡眠判定の指標とした.脳波に基づく睡眠段階の判定結果を基準として,行動・生理指標を用いた場合の覚醒・睡眠状態の推定精度の検証を行ったところ,圧電センサ以外の指標において覚醒期と睡眠段階1/睡眠段階2を判別できることが分かった.また,すべての指標で覚醒期/睡眠段階1と睡眠段階2を判別できることが分かった.