仮想マシンを用いた大規模なネットワークエミュレーション実験環境構築におけるメモリ資源割り当て手法の提案と評価
榎本 真俊 (0851015)
ネットワークエミュレーションテストベッド(NET)で大規模な実験環境を構築する場合,行える実験の規模は実験に使用できる物理ノード数に依存してしまう.これに対して,近年仮想マシンを用いることにより実験に使用できるノード数を増やす研究が行われている.先行研究では,資源の割り当てが実験者の知見や経験に基づいて決定されるため,効率的な資源の割り当てを行おうとした場合,特に大規模な実験環境を構築する場合は,何度か予備実験を行い知見や経験を蓄積する必要がある.
そこで本研究では,知見や経験がなくても大規模な実験環境を構築する際に必要な割り当てが行えるように,実験環境構築時に割り当てが必要な資源の割り出しを行い,数理計画法に基づく定式化を行うことにより,一般解として資源割り当てが行えるように抽象化を行った.さらに,特に割り当てが必要な資源の中の1つであるメモリに着目し,規模に依存しない仮想マシンへの必要十分なメモリ割り当て手法の提案を行っている.また、実際に BGPネットワークエミュレーション環境の構築時に提案した割り当てを手法を適用することにより,提案した割り当て手法の検証を行っている.