クラウドにおけるサーバ負荷に応じた動的リソース割当て機構の提案と実装
森川泰揮 (0751130)
近年,大規模分散処理技術や仮想化技術等の基盤技術を基に,クラウドコンピューティングという新たなリソースの利用形態が登場し,注目されつつある.
その主な利点は,クラウドの利用者は,必要に応じて自由にリソースの追加,削除が行える.
加えて,利用したい量のリソースを利用できることも利点である.
これらの利点を活用して,処理量が変化した場合でも,利用者が必要に応じてリソース量を判断し,リソースを割当てることができる.
しかし,割当てるリソース量を決定するためには,常に変化する処理を利用者自身が監視しなければいけない.
これは利用者にとって大きな負担となる.
このような利用者の負担を減らすために,変化する処理量に対して動的にリソースを割当てることが求められている.
本研究では,処理に対するリソースの負荷状態を監視し,負荷状態より必要リソース量を判断して,動的にリソースを割当てる機構を提案する.
さらに提案機構の有効性を示すために,実際のクラウドサービス上に実装をして,実験を行った.
その結果,提案機構により負荷状態に応じてリソースを増減させることができることを確認し,一定のサービスレベルを保てた.