漢方医学における漢方薬処方と診断・症状間の情報学的解明

川合 利佳 (0751148)


漢方薬は様々な病気の治療薬として広く用いられており、その大きな特徴として、複数の生薬から成る組み合わせ処方であるということ、証という独特の診断基準をもつことが挙げられる。生薬と証の組み合わせ方は無限であるため、漢方薬は患者一人一人に応じたテーラーメイド医療を実現しているとも言われている。しかし、漢方薬処方においては、西洋薬のような客観的に数値化された指標が存在せず、漢方薬概念は理解されにくい。そこで、漢方薬専門の医師ではなくても、漢方薬を扱いやすくするための指標作りが進められている。

本研究では、漢方薬処方における生薬配合比と診断決定における診断indexを用い、情報科学を用いた客観的指標によって、漢方薬全体においてその適用症状との関係を体系化することを試みた。

その結果、漢方薬独特の診断であり非科学的とされてきた証という診断について、似たような診断基準やその診断が決定された場合の適用症状や治療漢方薬などを抽出することに成功した。また、組み合わされる複数の生薬について、効果が有効な生薬の組合せ方は、複数種の似たよう効能をもつ生薬の組合せで、生薬の治療に対しての使用段階や発揮する効果が似ていることが重要であるということが結論づけられた。

本発表では、本研究結果をまとめて報告する。