完全スキャン設計と同等の能力を有するRTL非スキャンテスト容易化設計

吉村 智浩 (0751143)


テスト容易化設計として完全スキャン設計が広く使われているが、テスト実行時間が長い、テスト時消費電力が大きい、クロック切り替えのノイズにより遅延故障テストが困難、フリップフロップの故障診断が困難といった問題がある。一方、回路機能を利用して実動作速度のテストを行うことにより、テスト実行時間の短縮および遅延故障テストを可能にする、レジスタ転送レベル(RTL)の設計情報を用いた非スキャン方式の容易化設計法として、強可検査法が提案されているが、故障診断容易性やレジスタの故障検出に関する考察がされていない。本稿では、強可検査法を拡張し、完全スキャン設計法と同等の故障検出率および診断分解能を達成する。