再構成可能ラッパーを用いたマルチクロック・ドメイン・コアのテスト時間最適化
吉田宜司 (0751141)
VLSI技術の急速な発展に伴い,複数の機能を1つのチップに組み込んだシステムオンチップ(System-on-Chip,以下 SoC)が実現可能となった.
SoCでは,IPコアと呼ばれる設計済みのモジュールを再利用することで,短期間での設計および製品化が可能である.
近年のIPコアでは,複雑な機能や低消費電力を実現するために,コア内部に複数のクロックドメインを持つ.
そのため,消費電力制約下での複数のクロックドメインをもつIPコア
(以下 マルチクロックドメインコア)のテストが重要になってきている.
本論文では,マルチクロックドメインコアに対し,
テスト時間の削減を目的とした再構成可能ラッパー設計法を提案する.
再構成可能ラッパーとは,必要に応じてラッパーの構成を変更することができるラッパーのことである.
提案手法では,マルチクロックドメインコアにおけるドメイン内テストおよび
ドメイン間テストのテストデータ量のばらつきを考慮し,テスト実行を2つのステップに分割する.
分割した各ステップに対して最適なラッパーを設計し,切り替えることでテスト時間を削減する.
実験結果では,マルチクロックドメインコアに対する従来のラッパー設計法に対する有効性を示す.