本稿では,ユーザが何度でも話したくなる,飽きさせない雑談対話システムの実現を目指している. 例えば,同じユーザ発話に対して,時間の経過に伴い,昨日と今日で異なるシス テム発話を返すことができれば,ユーザは時間をおくことで何度でも話すことが できる. また,システム発話の知識源に対し,ユーザにとって未知の情報を利用することで,ユー ザはシステムを利用するたびに新しい情報を得ることができ,飽きさせないこと が期待できる. このような対話を実現するための知識源は,次々に更新される新しい情報源であ る.
ウェブニュースは1社につき1日に300記事以上投稿されており,このような 情報源として有用である. 構築した対話システムは,ウェブニュースを検索対象として,ユーザ発話 に類似・関連したニュース記事を検索し,そのタイトルや本文を利用してシステム発話文を生成する. マイクロブログから抽出したユーザ発話文に対してシステム発話文を生成し, それが対話として自然であるかどうかについて,5人の評価者による主観評価を行った.