複数ページの検索結果ページを閲覧するユーザの視線分析

松田 侑子 (0751111)


本発表では,複数の検索結果ページを閲覧するユーザのWeb検索行動を分析した結果について報告する. Web検索行動について分析を行っている従来研究の多くは, 検索結果ページの1ページ目についてのみ分析している. しかし,多くのユーザは複数の検索結果ページについて検索を行っている. ユーザが,検索結果ページの下部に表示される検索結果よりも, 次のページの上部に表示される検索結果の方をより注視するならば, ユーザの検索行動に表示位置が影響する可能性がある.

本研究では,複数の検索結果ページにわたるユーザのWeb検索行動を分析するために,視線計測実験を行い, 各検索結果に対する注視時間を計測する. ページ遷移とスクロールに着目し, 検索結果の表示位置がユーザの視線に与える影響について分析を行った. 実験の結果,検索結果ページの下部に表示される検索順位の高い検索結果よりも, 次のページの上部に表示される検索順位の低い検索結果の方が, 注視時間が長くなる傾向にあることが分かった. また,全ての検索結果が一度に画面上に表示されるとき, 同一検索結果ページ内の上部に表示される検索結果よりも, 下部に表示される検索結果の方が,注視時間が長くなる傾向にあることが分かった.