歩行パターン変化点に着目した人物間インタラクションの解析

本田 和久 (0751107)


センサーの小型化やビジュアルサーベイランス技術の発展により 自動的に人々に関する情報を獲得することが可能となってきている. しかし,得られる情報の多くが人物の位置や移動速度といったプリミティブな情報であり, 必要な情報を得るためには人手による判断が不可欠なことが多い. この問題点を克服するためには,我々人間が普段から無意識のうちに行っている プリミティブな観測情報から高次な知識を獲得するプロセスを 計算機上でも実現することが不可欠であると考えている. そこで,本研究では人物間の関係や異常状態などを自動的に認識することを最終目標とし, プリミティブな情報である人物の移動軌跡から 人物間で発生しているインタラクションを解析する手法を提案する. インタラクションとは歩行中において他の人物との間で影響を与えあうこととし, 人が移動速度や進行方向といった歩行パターンを変化させた点において インタラクションが起こっていると考え,人物の歩行パターン変化点に着目することで 人物間のインタラクションを解析する. 最後に,実際に得た歩行者の移動軌跡からインタラクションを解析し, 人間関係推定実験と異常状態検出実験を行うことで提案手法の有効性を検討する.