広域分散首振りカメラ群における確率的連結関係推定法の効率化

寺下 訓史 (0751079)


広域における対象追跡への利用を目的として,首振りカメラを用いた分散カメラシステムの 確率的連結関係を効率的に推定する手法を提案する.確率的連結関係とは,各カメラの 撮影可能領域内のどの点から対象が出現・消失しやすいか,またそれらの点の間に経路が 存在するか,および経路が存在する場合は各経路をどの程度の確率で使用するかを示すものである. 首振りカメラを利用することで固定カメラに比べて広範囲・高解像度の撮影が可能となるが, 各瞬間には首振り方向しか観測できないために対象の出現・消失情報を取得しにくくなるという問題がある. 提案手法では,まず,対象の出現・消失が観測されるたびに連結関係を逐次推定する.そして,推定された経路の 不確かさや各経路を対象が移動する確率を考慮して各カメラを首振り制御することで, 効率的に対象の出現・消失情報を取得する.シミュレーション実験により提案手法の有効性を確認した.