題目:非優先側からの無信号交差点通過における運転行動の危険度評価

氏名(学籍番号):田中 友基 (0751074)


 現在の自動車社会において交通事故は非常に問題となっており、そのほとんどが追突事故と出会い頭事故である。特に信号のない交差点(無信号交差点)での非優先側からの通過においては、ドライバ自身が交差する自動車や自転車、歩行者等(衝突対象物)に注意し、安全に通過する必要がある。そのため、無信号交差点の安全な通過は、ドライバにとって大きな課題である。しかし、多くのドライバは自分の運転行動が危険であると考えていない。実際、無信号交差点における定点観測等の研究結果から、一般的なドライバのほとんどが停止線で停止しないなど、危険な運転行動を日常的に行っていることが明らかになっている。そのため、衝突対象物の出現するタイミングによっては事故に至ってしまう。無信号交差点での出会い頭事故を低減するためには、ドライバの運転行動を正しく診断・評価することにより運転行動の問題点を正しく指摘し、改善策を助言することができる安全運転教育や、運転支援システムが必要である。

 このような背景のなか、出会い頭事故防止に向けた効果的な安全運転教育についての研究が行われている。近年の研究においては、さまざまなドライバの運転行動を計測し、各ドライバに適した安全運転教育を行う手法が提案されている。このような各ドライバに適した安全運転教育を行うためには、まず各ドライバの運転行動の問題点を正確に抽出できることが必要である。

 そこで、本研究では、ドライバの無信号交差点への非優先側からの通過における運転行動の危険の度合い、つまり危険度を定量的に評価する評価手法を提案する。本評価手法は、ドライバの運転行動データとして速度プロフィール、視線移動プロフィールを用いて、速度、視線移動のそれぞれが、考えられる衝突対象物に対してどの程度安全を確保できていたのかを評価するものである。これにより、ドライバがどのような衝突対象物に対して、どのような運転行動が問題であったのかを提示することができ、ドライバ固有の問題点を指摘することができる。さらに、安全運転教育や運転支援システムへの応用が期待できる。

 本発表では、本研究における評価の方法について説明し、ケーススタディとして実際に計測したデータを用いたドライバの運転行動の評価を行う。このケーススタディを通して、提案した評価手法により、ドライバの一連の無信号交差点交差点通過行動においてどの時点でどの程度、どのような問題があったのかを分析することができることを示す。