定量的管理を取り入れた開発プロセスのためのオーサリング・テーラリングフレームワーク

高田 純 (0751068)


ソフトウェア開発プロセス改善策の一つとして,定量的に測定されたデータに基づく指標を利用したプロセスの定量的管理が注目されている.定量的管理を行う開発組織は,あらかじめ組織の実状を反映した標準的な開発プロセス定義や管理のための指標を構築する必要がある(オーサリング).また,プロジェクトの定量的管理計画を立案する際は,それらを基に,プロジェクトの特性を考慮して,開発プロセス定義を修正したり,指標データの測定・分析活動を開発計画に統合したりする必要がある(テーラリング).しかし,このようなオーサリング・テーラリング手順は明確に定義されておらず,管理計画立案者の経験に大きく依存している.

本研究では,定量的管理を取り入れたソフトウェア開発プロセスのためのオーサリング・テーラリングフレームワークを提案する.本フレームワークは,定量的管理計画の立案に必要な組織レベル・プロジェクトレベルの作業手順を系統的に整理したものである.また,提案フレームワークを基にして定量的管理計画の立案を支援するシステムを開発し評価した.その結果,開発したシステムが定量的管理計画の立案作業を適切に支援している事を確認した.