マイクロフォングリッパを用いたマニピュレーションにおける音情報の利用手法

祖父江厚志 (0751067)


PC 組立等の作業中に発生する音には作業の状態や結果,物体に関する情報が 含まれている.しかし,従来のロボットハンドやマニピュレータの研究において 音情報を用いて作業の状態や結果を把握したり,物体に関する情報を得て,作業 に役立てる研究はあまり行われてはいない. そこで本研究では作業における音情報の利用を目的として,音情報を基に作業 を行うマイクフォロングリッパと作業音情報の処理について述べる.まず,作業 の音情報を利用して作業するために,力センサ,加速度センサ,音センサをつけ たマイクロフォングリッパの製作を行う.そのグリッパを用い,まず音情報によ り正誤判別が可能であるか検証するために,LAN ケーブルの挿し込みを対象タ スクとして,LANコネクタの爪の音が鳴っているかどうかでタスクの成否を判断 する.各センサ出力の比較を行い,力,加速度情報より判別がしやすくなるか, また音情報より判別が可能であるか実験により検証する.つづいて音情報により 物体の状態推定が可能であるか検証するためにコップにある水量を,コップをグ リッパではじく音を聴くことにより水量を推定可能か実験により検証する.実験 結果を基に各々システムを構築し,自動化実験を行い音情報を得ることにより, 作業が可能であるかと共に構築したシステムの有効性について述べる.