水中無線メッシュネットワークにおけるノード間到達率にもとづいた蓄積転送型データ配送方式の提案

杉山 貴信 (0751062)


近年,サンゴ礁では白化現象などによりサンゴが死滅する被害が問題となっており,原因の調査及び分析にはサンゴやその周囲の環境のモニタリングが必要となる.継続的に水中モニタリングを行う手法として,水中無線メッシュネットワークを構築することで情報を収集する手法が研究されている.しかし,水中無線メッシュネットワーク通信では,超音波の利用するために狭帯域,高遅延な環境となり,さらに,雨などの外的要因によって信頼性の低下を招きやすい.また,パケット送信には電波と比べてより多くのエネルギーを消費するため,パケットロスによる再送は消費電力増加の原因となり,センサー稼働時間の低下を招く.本論文では,ノード間到達率にもとづき,到達率の状況に合わせて効率的なパケット転送を行う蓄積転送型データ配送方式を提案する.本方式により,ネットワーク状況に応じてデータを転送・蓄積・経路変更することが可能となる.また,本方式をシミュレーター上に実装し,有効性を示す.