Zonotope表現による可到達領域を活用した
四輪車両移動体の衝突回避法に関する研究

角谷 文章 (0751033)


近年,自動車の運転支援に関心が高まっており,運転支援の方策のひとつとして自律走行型運転支援システムに関する研究が行われている.自律走行型運転支援システムとは,車両運動制御技術と自動車の周囲の情報を組み合わせて自動車の自律的な移動を実現するシステムである.自律的に移動する際に要求されることのひとつとして,他の物体と衝突しないように安全に移動することが挙げられる.

本発表では,自動車の自律移動における衝突回避法について述べる.他の移動体がこちらに向かって接近する状況(ワーストケース)における移動体同士の衝突回避法を提案する.ワーストケースにおける衝突回避では,確実に衝突を回避できることが重要である.確実な回避のために,相手が到達可能な領域(可到達領域)を計算し,その領域に含まれない軌道を選ぶという方策を立てる.移動体の運動モデルには自動車の運動を表現する四輪車両モデルを用いる. zonotopeという数値計算に適した表現を用いて可到達領域を計算し,四輪車両モデルの特徴をもとに計算方法を改良することで,可到達領域の計算精度を上げられる.そして,四輪車両モデルに対する可到達領域を衝突回避の判断に用いて衝突回避アルゴリズムを構成する.最後に,衝突回避が実現できることを確認するために,数値計算結果を示す.