手首着脱型多指ロボットハンドの開発

小野 泰寛 (0751031)


近年,人間並みの器用な作業を行うことのできるヒューマノイドロボットや 複雑な部品の組み立てを行うセル生産ロボットの活躍が期待されている. これらのロボットには,多彩なタスクを実行することのできる多指ロボット ハンドが必要であると考えられる.また,ロボットハンドが人間の使用している 環境や道具を扱えるようにするためには,手部のサイズは人間と同等のサイズ であることが望まれる.

本論文では,人間サイズの多指ロボットハンドを開発することを目的とする. ハンドを小型化させることを考慮して,アクチュエータをハンド外部に搭載し, ワイヤにより指の駆動を行う方法を採用した.しかし,ハンド外部にアクチュ エータを搭載すると,システム全体が大型化してしまい,メンテナンスや可搬性 に問題が生じる.そこで,ハンドとアクチュエータを分離できる機構を考案し, それぞれのユニット化を行った.これにより,ユニットごとにメンテナンスが行え, 可搬性も向上する.また,用途に応じてアクチュエータの種類や個数を変更するこ とも可能となる.

開発したロボットハンドの寸法は,全長200[mm],幅78[mm],厚み24.6[mm]で, 指先発揮力は10[N]であった.比例制御による動作確認実験を行った.