方策勾配法によるCPGに基づいたエネルギー効率の良い2足歩行の獲得

東 良行 (0751004)


2足歩行ロボットの歩行様式として,動力を一切 持た ないロボットが,自身の構造や重力,環境との相互作用 を利用し,坂を下って歩行を行うことのできる受動歩行 が知られている.また,受動歩行に補助的な動 力を付与することで,平地でも歩行できる準受動歩行 の研究も広く行われてきた. しかし従来の準受動歩行の研究では,足裏が円弧形状で,関 節は股関節と膝関節または足首関節のいずれかが取り付けら れた自由度の低いものが殆んどである.

一方,準受動歩行とは異なり,周期的な信号を生成する Central Pattern Generator (CPG) を用いた生物規範型の 歩行制御研究も広く行われてきた.CPG に基づく制御 は多自由度のロボットに広く適用され,2足歩行では股 や膝,足首関節がそろった足裏平面で歩行するロボットが 多く存在するが,エネルギー効率については特に議論され ていなかった.そこで発表では,足裏が平面状で,股,膝, 足首に関節がある2足歩行ロボットを対象として, エネルギー効率の良い2足歩行を獲得するために強化学習を行う. また,CPG歩行にトルクフリー期間を作ることで新しい準受動歩行の 学習も行い,さらにエネルギー効率が良くなることをシミュレーション実験により示す.