題目 寄り目法を利用したステレオマッチングにおけるハードウェアアルゴリズム

名前 國田 誠三 (0551046)


近年,自動車の衝突回避システムなど知能ロボットなどの移動体では 対象物体までの距離を計測して,奥行きを認識させる必要がある. いずれの機器においても実時間での処理が必要で,かつ信頼性も保障される必要がある. 奥行き距離を計測する方法として,左右に置かれた2台のカメラを用いたステレオ画像処理がよく用いられる. ステレオ画像処理では,2台のカメラで撮影されたステレオ画像間の対応点を求めるステレオマッチングにおいて, SAD計算がよく用いられる. 一方,上記のような移動体や監視システムでは,ステレオ画像処理をハードウェアに実装する必要がある.

本研究では,実時間処理を維持しつつも, 2台のカメラで高信頼性を実現するステレオマッチングにおけるハードウェアアルゴリズムを提案する. この提案アルゴリズムは,ステレオ画像内にある対象物体の輪郭上の点のみでマッチングを行い, その輪郭の内部の点については,輪郭上の点と同じ奥行きにある判断するアルゴリズムである. SADのみを使用するマッチングでは,全画面上の点をマッチングの対象にするのに対して, 本手法では,マッチングを輪郭上の点に限定することにより,信頼性を高めている. 対象物体を探索するにあたって,物体の輪郭を目を寄せるように一致させることから 「寄り目」法と名付けている. 提案アルゴリズムのハードウェア化に際しては, 水平方向の全画素を1行に並べることで,水平方向による繰り返しをなくして高速化した. また,SAD計算では,加算器の段数と繰り返しを減らすことで高速化し,しかも部分和を再利用することで 高速かつ省スペースを実現した.最後に奥行き探索においては,輪郭上のマッチングと奥行き情報の生成を 並行で行うことで高速化した. 実験結果としては,提案アルゴリズムを使用すると2台のカメラによるステレオマッチングでも 高品質な奥行き画像を得ることができ,FPGAに実装した結果はLQVGAのステレオ画像を 毎秒10コマ程度のreal-timeで処理することができた.