無線LAN環境におけるリアルタイム通信の品質維持に関する研究−APのキュー長を推定したハンドオーバ制御−
堀内 栄吾 (0651203)
近年IP電話のようにVoIPを利用したリアルタイム通信が増加している.
また公衆無線LANの増加により,
今後,無線LANを利用したリアルタイム通信が増加すると考えられる.
しかしこのような環境では,端末台数増加とAPの切り替えの際に起こる通信の切
断によって
通信品質の劣化が発生する.
そこで本研究ではこれらの問題を解決するハンドオーバ手法を提案する.
以下に提案する3つの方式について述べる.
(1)APのキューがボトルネックとなり,通信品質の劣化を招くため,端末とAP間
のRTTを測定することでAPのキュー長を推定する.
また通信路の通信品質を表すMAC層のRTSの再送を用いてハンドオーバ機構を構築
する.
(2)1つ目で提案したハンドオーバ手法では全体の端末が一斉にハンドオーバをし
てしまい,通信品質の劣化となる.
そこで端末のデータレートによる制御を行い,これを防ぐ
(3)APのキュー長を推定するための調査パケットによる冗長なトラフィックの増
加が発生する.
これを防ぐために,他のMNとAP間で送受信される調査パケットからAPのキュー長
を推定する.
これらの提案方式をシミュレーションによって評価し,
先行研究と比較し有効性を示す.