撮影条件の変化に頑健な車載カメラ画像間の対応付け
榎並 直子 (0651201)
正確なナビゲーションにとって重要な地図情報の更新は,人手により行われている.
そこで,衛星写真や車載カメラを用いて異なる時刻に同一地点を撮影した画像間を
比較し変化検出を行う手法が提案されている.
しかし,従来法では上空から撮影しているため詳細な情報が取得できない,また特
殊な撮影を行うため同時に広範囲の観測が不可能などの問題がある.そこで我々は,
一般的な車載カメラとGPSを利用した街並変化検出システムの実現を目指し,
本論文ではこのシステムに必要な基盤技術の「異なる時刻に撮影された
画像間の対応付け」を提案する.この対応付けは,同一地点の画像間の変化検出を
行なうための前処理として位置付けられる.システムでは,多様な車両・カメラ
により様々な天候・走行条件で撮影された画像間での対応付けが必要になるため
撮影条件の変化に対して頑健な対応付け手法が求められる.
提案手法では,車線・カメラ位置の違いから同一地点でも見えの変化が大きいという
問題に対し,FOEを用いて求めたカメラの回転角度に応じ画像補正を行い,さらに拡
大・縮小も考慮した対応付けを行なう.また,車速・フレームレートなど走行条件の
違いから生じる撮影位置・間隔の違いに対応するため,連続数フレームを重ねた仮想
パノラマ画像間での対応付けを行なう.日照の変化やノイズに対する頑健性向上は,
画像のエッジから特徴的な領域を抽出することで実現した.
提案手法の有効性を示すため,撮影条件の異なる画像間での対応付け実験を行った.
ここに発表梗概を書く。