題目 組織切片を観察可能な広視野エバネッセント顕微鏡の開発

名前 村田 知弥(学籍番号0651158)


エバネッセント顕微鏡とは光を全反射角以上の角度で入射することにより、生じるエバネッセント場を照明として用いる顕微鏡である。蛍光のバックグラウンドを抑えてコントラストの良い画像を得ることができることから、一分子イメージングや細胞基底面に存在するアクチンフィラメントの観察などに用いられてきた。これまでのエバネッセント顕微鏡では全反射条件を満たすために、高開口数のレンズが用いられてきたため、一度に観察できる視野が狭く、組織切片などの観察には不向きであった。そこで本研究では、プリズムを通して光を入射してエバネッセント場を得て、低倍率の対物レンズで像観察することを特徴とする広視野エバネッセント顕微鏡を開発した。本顕微鏡では、最大視野が850μm×850μmで、これまでのエバネッセント顕微鏡の75倍の面積を一度に観察できる。この顕微鏡の性能評価を行いさらに実際の組織切片の観察、細胞の観察を行った。