X線透視動画像への実時間奥行き情報提示
牛 冰心 (0651148)
Cアームと呼ばれるX線透視撮影装置は,実時間でX線動画像が得られるため,
臨床の場において,幅広く利用されている.しかし,X線動画像は透視像であり,
隠蔽関係や奥行き情報がなく,組織の位置や組織間の位置関係を把握するの
が難しい.
アーム部分を動かすことにより,奥行き関係を認識することが可能となるが,
このような操作を繰り返すことにより,大量に放射線を浴びるという問題がある.
本論文では,CアームにおけるX線透視動画像に奥行き情報重畳表示し,
治療及び診断を支援する手法を提案する.
提案手法では,まず,Cアームの位置・姿勢と時系列的に変化する透視動画像から
対象組織部分を3次元空間に投票することにより組織のボリュームデータを生成す
る.次に,生成したボリュームデータ中の特徴的な部分の奥行きを推定し,奥行き
に依存した配色を用いて入力画像に重畳表示する.
実験では,まず,X線実画像を用いて組織のボリュームデータを生成し,生成した
組織形状に対して奥行き推定の精度を評価する.次に,医者を対象として奥行き
情報提示インタフェースを評価し,提案手法の有効性を示す.